気仙沼市立気仙沼小学校 子どもの権利条約出前授業

 

2024年11月15日、気仙沼市立気仙沼小学校6年生31名に対し、高須幸雄理事長が子どもの権利の授業を実施しました。学校側には、特別に5―6時間連続した授業にしていただき、じっくり学べる環境を整えていただきました。

 

授業は世界の戦争の話から始まりました。「ガザ地区を知っていますか?」と高須理事長が尋ねると、子どもからは「アジアとヨーロッパの間!」「中東!」と声があがり、活発そうな印象のクラスでした。紛争下の子どもや児童労働など世界の子どもの状況を伝えたあと、「日本の子どもは幸せか?」と問い掛けます。日本は一見豊かそうな国ですが、子どもの貧困、虐待、いじめ、差別、不登校など課題がたくさんあり、子どもの幸福度が低いと言われています。

「人権って何か考えたことがある?」と尋ねられた子ども達。首を傾げる子もいました。

「大人と子どもは何が違う?」と尋ねられると、「大きさ」「しわがあるのが大人」「体重」「あたまの回転の速さ」「就職できるのが大人」「タバコ・お酒が飲めるのが大人」と次々声が上がります。大人も子どもも人間としての価値に違いはないこと、ただ子どもは“大人”になる途中で成長の過程にあるので、成長するために欠かせない権利をもっていることを伝えました。

 

次に、事前に子どもの権利条約カードを勉強しておいてもらい、質問を2つ投げかけました。

①自分の周りで欠けていると思う権利は?

②「こどもの権利を守るために〇〇なクラスにしよう!」の〇〇に何を入れる?

 

①の答えで多かったのは、「生きる育つ権利」「差別されない権利」「休む遊ぶ権利」が守られていないという声でした。「こどもの最善の利益」「教育を受ける権利」「暴力からの保護」を挙げた子どももいました。

 

②の質問に対しては、「無視やいじめをしない。クラスの差別をなくしたい。」「自由に意見を言えるクラスにしたい。」「インターネットで適切な情報を手に入れたい。人それぞれ個人情報があるのでプライバシーが守られるクラスにもしたい。」「休んだり遊んだりしないと立派な大人になれないので遊ぶ権利が守られるクラスに。」などの意見が出ました。

 

短い休み時間に、数人の子どもがジェンダーについて質問をしに来た姿もあり、学びに積

極的な様子でした。「子どもの権利」を学んだ子ども達は、当たり前の日々の暮らしに、権利の大切さを意識することでしょう。