HSFでは、3.11復興支援活動の中でも、自分が育つ環境を選択できない子どもや中高生を、被災者の中でも特に脆弱な存在と捉え、重点的なケア活動を行なっています。
遊び場や遊び道具が津波で流されてしまった。
仮設住宅の限られたスペースでは落ち着いて勉強ができない。
また、財産を失った家庭にとって、保護者が抱える子どもの進学や就職の問題は、今後増々深刻化していくことが予想されます。
未来を担っていく子どもたちが、安心、安全に成長できる環境を保障することは、「人間の安全保障」の面からも、また大学発のNPOが取り組むべき活動としても、重要な課題であると考え、HSFは、宮城県内の様々な仮設住宅地において、被災した子どもの学び、遊び、育ちの場づくりを行う、「こども未来館」プロジェクトを立ち上げました。
被災地の子どもや若者が「自信」、「誇り」、「未来への希望」を抱けるような空間を仮設住宅地につくりだし、そこから大人を巻き込んだ明るい活気あるコミュニティづくりへと発展させていくことがHSFの「こども未来館」プロジェクトの願いです。
基本コンセプト: | 東日本大震災で被災した子どもたち(=将来の東北復興の主役) が集まれる遊びと学びの場を提供。支援を通じて、地域の希望の 保持と発展に貢献する。 |
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実施場所: |
登米市
歌津中学校前仮設 山田大名広場仮設
石巻市 仮設城内団地(2012年8月迄) 仮設旭化成団地
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実施内容: |
・子どもや若者の進路相談や学習指導を行うボランティア ・「HSF文庫」の設置 ・子どもの就学に役立つ奨学金の情報の提供 |
※2013年12月現在
学童保育
仮設住宅地では、かつて子どもたちそれぞれが所有していた遊び道具が津波で流されてしまったり、周辺に子どもが自然と集まって遊ぶスペースがない状況です。
求職中の保護者が、子どもの面倒をみる余裕もない場合もあるため小学生を対象に学童保育を行なっています。
学習支援
仮設世帯内においてはスペースの都合上、机さえ置けず、落ち着いて勉強する環境がない場合が多くあります。
東北の大学生ボランティアやHSFスタッフは、宿題等を持参した子ども(主に中学生)に対して勉強の助言を行います。
人間の安全保障の理念(人一人ひとりの安全、安心、尊厳)に関連する書籍を収集・設置しています。これまでに気仙沼市立図書館にも寄贈を行い、地元紙の三陸新報の記事に掲載されました(2011年10月18日)。
現在は、仮設住宅への図書寄贈を行っています。
子どもをもつ保護者向けに奨学金情報の提供や書類作成の補助を行います。
また、未来館から、子どもが帰る際に、保護者宛の配布物として奨学金情報をまとめた資料を手渡します。
学童保育や学習指導と合わせて、このような制度を利用した支援も重要です。
HSF文庫の朗読会、科学実験教室などを仮設住宅の集会所で行なっています。 その他、節分やバレンタインデーなど季節のイベントや、外部からのイベントの持ち込みも受け付けています。